日弁連の生活保護パンフ

日弁連の最近話題のパンフの話。

日弁連の主張は置いておいて、このQ8「財政破綻を防ぐには生活保護をへらせばいいのではないですか?」にあれ?とおもったのでちょっと調べてみた。

Q8 に一番GDP当たりの保障が多いのはニュージーランド(10.4%)を載せている。

ニュージーランドGDP(2011年PPP)は1221億ドル。その10.5%ということは、128.2億ドルが生活保護に使われていることになる。

ニュージーランドの税収は、760億ニュージーランドドル(2013年の推計値)

1NZDはUSD0.77なので、585億ドル

生活保護費が128億ドルなので、税収に対する生活保護費の割合は21.9%(128.2/585.2)

2011年の資料だけど
Beneficiary numbers rise by 1000
ニュージーランド生活保護を受けている人は354,058人
そこで、一人当たりの生活保護費を換算すると
36208USD
ニュージーランドの一人当たりのGDPは27,668USDなので、それよりも大幅に多い

ここまで試算して、疑問
(1) ニュージーランドの10.5%の出典と、その中身は何?
単純な生活保護じゃないよね。多分。
(2) 歴史的な理由で保護対象の先住民がいる国をわざわざ入れた理由は何?
ニュージーランドは、先住民のマオリ族生活保護を受けている割合が多い。
ニュージーランドの人口444万人に対して、マオリ族の人口は79万人

この後、ちょっと調べたら、元資料がこれではないかと思える。
Survey of Social Assistance in OECD Countries

これの
Table 1: Social Protection Spending in 1995
を見ると、ここに、
N. Zealand 10.4 ってある。数値が合っているので、多分これが出元でしょう。

ところが、この表で、ニュージーランドのSocial Insuranceは0となってるのね。他に、0になってるのはオーストラリアだけ。

両方を合わせると、ニュージーランドの10.4%に対して、日本は、6.2%になる。

パンフレットの他のページには、平成22年の記述があるのに、なぜ、このQ8だけ、1995年の古い資料を持ってきたのでしょうか?